「都心から一番近い森のまち」を目指す

第二には、そんなに利便性の高いエリアであるにもかかわらず、自然環境に恵まれ、住環境が整っている点が挙げられる。流山おおたかの森駅という名称にあるように、準絶滅危惧種に指定されている希少性の高いオオタカが生息する森が駅周辺に広がっている。流山市としても、このオオタカを守るため、2018年にオオタカを市の鳥に制定、市の自然環境を象徴する存在となっている。流山市のホームページでも、目指す街のイメージを「都心から一番近い森のまち」としている。

市内には約400の公園や森が存在し、江戸川や利根運河といった「水辺」、市野谷の森、大畔おおぐろの森などの「森のみどり」だけではなく、市街地の公園や街路樹による「まちのみどり」などのさまざまな緑が揃っている。子育て世帯やシニア世帯などにも最高の住環境といえるだろう。

そのため、商業施設が充実し、住環境も整っているという点から、東急田園都市線の二子玉川にも似ているとして、「千葉の二子玉」と呼ばれるほどだ。

キャッチフレーズは「母になるなら流山市」「父になるなら流山市」

そして、第三がそうした環境を支える市政のあり方ではないだろうか。「母になるなら、流山市。」「父になるなら、流山市。」をキャッチフレーズに、子育て環境の整備に取り組んでいる。たとえば、市内の認可保育園は2010年には17園だったのが、2023年には102園になり、全国でも数少ない「駅前送迎保育ステーション」を設置、働きながら子育てする父親、母親をサポートしている。

市内の教育施設の充実にも力を入れ、小中学校ではチームティーチングを導入した算数・数学、外国語指導助手による英語教育を実施、児童・生徒1人1台のタブレット端末を活用した学習などを実施している。また、東京理科大学や民間企業と連携したプログラミング教育を実践し、ICT(情報通信技術)を活用した先進的な取り組みを行っている。

こうした取り組みもあって、特に子育て世帯の流山市への流入が増えており、人口ピラミッドをみても、全国的には高齢者の比率が膨らんでいるのに対して、流山市では若年層も多く、バランスのとれた構成となっている。